おみおくりの作法 (原題 : STILL LIFE)
主演のエディ・マーサンが物凄くハマり役でした。
軽くネタバレがあるかもしれません。
ロンドンのとある地区の民生係で働く身寄りのない独身主人公。
仕事内容は孤独死した人の葬儀を行うこと。
この設定でオチがなんとなく予想できてしまったんですが見事的中。
まあオチが読めるなんてよくあることなので気にはならなかったです。
内容はSTILL LIFEというタイトル以外名付けようがないものでした。
主人公、カメラワーク、音楽、そして淡々と進むストーリー。
全てが文字通り静物のよう。
なので裏を返せば観る人によっては少し退屈と感じるかもしれません。
ですがこの映画の凄いところは伏線、と言って良いのかはわかりませんが、
そういった静かで特に意味のなさそうな数々のシーンが最後にしっかりと意味を持つ所だと思います。
畑は違いますが最近の量産された"どんでん返し映画"よりハッとしてしまいました。
最後の最後だけ安全確認を怠るなんてね。
戒めみたいなことなんでしょうか。
ラストシーンでの女性は棺や埋葬されているのが主人公だと気付いていたんだろうか。
少なくとも亡くなったのは知っているはずなのである程度は勘付いていると思いますが、
あの距離感が"主人公と「生きている人」"のなんとも言えない関係を表している気がします。